FXでは損切りが必要な理由とは?損切りしないとどうなる?決め方や注文方法を解説
目次
FXでは損失を最小限に抑えるために「損切り」が重要です。しかし、初心者は損切りの重要性ややり方がわからないのではないでしょうか。
この記事では損切りの考え方や、実際のトレードでのやり方を解説します。損切りが習慣になると大きな損失を避けられるようになるので、ぜひやり方をマスターしてください。
忙しいサラリーマン生活を豊かにしたいという思いからFX自動売買を開始。 月1万円の副収入を目指し、FX自動売買歴初心者が現在進行形で実施、検討中。 日々勉強しながら、着実にFX自動売買で勝っていく方法をブログでまとめている。
FX取引での損切りとは?
ポジションとは、FXで売買が成立してから決済されていない状況を意味します。たとえば、米ドル/円では円を売って米ドルを買うことを買いポジション、米ドルを売って円を買うことを売りポジションといいます。
損切りの目的
その場合、損失が拡大する前にポジションを決済してしまう必要があります。損失が少ないうちに見切りをつけると、資金の必要以上の目減りを防げるのです。
損切りしないで待つとどうなる?
ロスカットが発動し、ポジションが強制決済されてしまうかもしれません。
ロスカットとは口座の証拠金が一定額以下になった場合に、強制的にポジションを決済する仕組みです。ロスカットの基準(証拠金維持率)はFX会社ごとに決められています。証拠金維持率はほとんどのFX会社のトレード画面で確認できるので、自分で計算する必要はありません。
たとえば、証拠金を1万円入金し、1米ドル100円のときに2,500通貨(米ドル)の買いポジションを持ったとします。ロスカットの証拠金維持率が50%の場合、1米ドル98円を割るとロスカットされます。このときの損失額は5,000円で、証拠金は5,000円に減ってしまうのです。
このケースで1米ドル99.5円になったタイミングで自主的に損切りしていれば、損失は1,250円ですみます。思惑が外れた場合に自分の間違いを認めて損切りをすると、FXの資金を大きく減らすのを防げるわけです。
FXで損切りが必要な理由
FXでは必ず勝てるとは限らないから
反対に、自分の予想が正しかったとしても相場が一時的に反対方向に動くケースもあります。そのような場合には、損切りせず待つ判断も必要ですが、その基準は難しいといえます。そこで、損切りには、あらかじめルールを決めておく必要があるのです。
ロスカットによる想定外の決済を防ぐ必要があるから
FXはロスカットがあるために、自己資金(証拠金)を超える損失は出にくいといえます。しかし、ロスカットされる前に損切りできれば、必要以上の損を出さずにすみます。
放置していると他の取引機会を逃してしまうから
含み損(決済前の確定していない損失)のあるポジションを放置していると、利益の期待できるトレードにエントリーできないおそれもあります。チャンスを逃さないためにも反転しそうにないポジションは早めに損切りしましょう。
損切りの水準の決め方
ここでは、損切りの水準の決め方を3つ紹介します。自分にできそうな方法を取り入れてみましょう。
値幅で決める
一般的に、損切りの値幅は利益確定の値幅の半分が適切といわれています。つまり、1円値上がりしたら利益確定しようと考えるのであれば、損切りは0.5円値下がりしたら行うわけです。
「0.5円下がったら」のような金額を基準にする方法もありますが、「10%下がったら」のように割合で決めてもよいでしょう。
この方法はシンプルでわかりやすく初心者向きですが、値動きの激しい相場では早期に損切りされてしまう可能性もあります。
損失額で決める
損失額で決める方法は資金管理にも有効ですが、水準が狭くなりすぎる可能性もあります。そこで、初心者は投資額(証拠金の額)の2%程度の金額に決めるとよいでしょう。
テクニカル分析を基準にする
テクニカル分析を基準にする方法は市場のトレンドやサイクルに合わせて損切りの水準を調整できますが、知識や経験が必要です。初心者には難しいため、テクニカル分析が身についたら取り入れるとよいでしょう。
損切りの注文方法
どのような注文方法があるか見ていきましょう。
逆指値注文
たとえば、1米ドル100円の買いポジションを1,000米ドル分保有しているときに、97円まで急落したとします。逆指値注文を入れていなければ、4,000円の損失が発生します。ここで、前もって、99.5円で逆指値注文を入れておくと、損失は500円ですむわけです。
逆指値注文は相場が急変した場合でもあらかじめ設定したレートで決済できるため、安心して取引できます。ただし、逆指値注文は約定(売買成立)するまでにスリッページ(発注レートと約定レートの開き)が発生する可能性があります。
OCO注文
たとえば、米ドル/円で1米ドル100円の買いポジションを持っている場合に、99.5円になったら損切りの売り注文、102円になったら利益確定の売り注文といった決済の注文ができます。
損切りだけでなく利益確定も自動的に行われるので、チャートを追う時間のないときには便利です。
IFD注文
損切りに利用する場合は、「新規注文と損切り注文」のパターンを使用します。
・新規注文:成行
・決済注文(逆指値):99.5円
新規を99.7円の指値注文にする場合の指定レートは、以下のとおりです。
・新規注文(指値):99.7円
・決済注文(逆指値):99.2円
IFO注文
・新規注文:成行
・利益確定注文(指値):101円
・損切り注文(逆指値):99.5円
新規を99.7円の指値注文にする場合の指定レートは以下のとおりです。
・新規注文(指値):99.7円
・利益確定注文(指値):100.7円
・損切り注文(逆指値):99.2円
FXで損失を少なくするポイント
利益を狙うより損失を減らすことを重視する
収支はトータルでプラスになればよいので、含み損が発生したら早めに損切りして資産を守っていきましょう。
損切りルールを守る
たとえば、ポジションごとに最大2%の損失まで許容するといったルールや、1日あたりの最大損失額を1万円にするようなルールなどです。損切りルールを作成したら、それを厳守しなければなりません。感情的になってルールを破ったり変更したりすると、思わぬ大きな損失を招くおそれがあります。
レバレッジをかけすぎない
つまり、元手が1万円でも25万円を運用した利益が得られるわけです。ただし、利益が大きくなると損失も大きくなる点に注意が必要です。
初心者はレバレッジを3倍程度にしておくとよいといわれています。
ポジションを大きくしすぎない
FXは損をする可能性も比較的高い投資です。最初から大きな金額のトレードをして含み損が発生すると、精神的に動揺するおそれがあります。始めるにあたっては損をしてもダメージの少ない金額でトレードし、実践を積みながら徐々にポジションを大きくしていきましょう。
損切りルールをときどき見直す
自分のトレード結果を振り返り、損切りの幅についても見直していくとよいでしょう。
終わりに|損切りの基準を定めて注文しよう
初心者はとりあえず損切りの基準を決めて、注文を入れておく習慣をつけましょう。トレードに慣れたら損切りの基準を適切に修正していくとよいでしょう。
松田聡子(マツダサトコ)
松田聡子(マツダサトコ)
明治大学卒業。金融ソフトウェア開発、国内生命保険会社の法人営業を経て、独立系FPとして開業。個人や法人オーナーへのコンサル業務、セミナー講師の他、現役FPの知見を生かした執筆業務を行っている。
保有資格:CFP®・DCアドバイザー・証券外務員二種/群馬FP事務所代表
https://gunmaf.net/gunmafp
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