生命保険は入らない方がいいのか?加入に向いている人・向いていない人の特徴を紹介
目次
- 「生命保険に入らない方がいい」という意見が存在する理由
- 国民皆保険制度に加入しているから
- 高額療養費制度によって医療費の負担が軽減されるから
- これまで保険を使う機会がなかったから
- 保険に加入する余裕がないから
- 保険未加入で想定される予期せぬ事態
- 怪我や病気の入院で医療費を払えない可能性がある
- 収入が減少・なくなると生活ができなくなる
- 生命保険に加入しておくと安心できる人の特徴
- 扶養する家族がいる人
- 貯蓄がない・少ない人
- フリーランスなど公的保障が不十分な人
- 急いで生命保険に加入する必要がない人の特徴
- 扶養する家族がいない人
- 貯金から医療費などを支払える人
- 【年代別】生命保険の加入率/どんな保険に入るべき?
- 【20代・30代(独身者)】病気・ケガに備える保険
- 【20代・30代(既婚者)】万が一に備えるための保険
- 【40代以上】病気へのリスクに備えることができる保険
- 最後に|加入後もライフステージの変化に応じて賢く保険と付き合おう
しかし、結婚や子どもが生まれたことにより、生命保険に入らなきゃと思っているけど、自分に合った保険がわからないと悩んでいる人もいるでしょう。
そこでこの記事では、生命保険に加入すべき人と急いで加入する必要がない人を紹介します。年代や生活形態(独身・既婚)ごとのおすすめの保険もわかるので、賢くライフプランを設計できるようになるでしょう。
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「生命保険に入らない方がいい」という意見が存在する理由
しかし、「生命保険は不要」という意見があるのも事実です。はじめにその理由を解説します。
国民皆保険制度に加入しているから
公的医療保険があることで、病院や薬局でかかる医療費は原則3割で済みます。例えば医療費の総額が1万円の場合、患者の自己負担分は3,000円となるイメージです。会社員であれば、傷病手当金や出産手当金の給付などもあります。
加えて日本には、公的年金制度のひとつとして遺族年金があります。遺族年金とは公的年金の加入者が亡くなったときに、その配偶者や子どもなどに年金が支給される制度です。
医療費から死亡後の生活費の一部を公的保障でカバーできることから、生命保険は必要ないと考える人もいます。
高額療養費制度によって医療費の負担が軽減されるから
高額療養費制度とは同一月(1日から末日)にかかった医療費が高額になった際に、所定の自己負担限度額を超えた部分が後から払い戻されるものです。70歳未満の自己負担限度額は以下のとおりです。
所得区分 | 自己負担限度額 |
---|---|
区分ア(標準報酬月額83万円以上) | 25万2,600円+(総医療費-84万2,000円)×1% |
区分イ(標準報酬月額53万円〜79万円) | 16万7,400円+(総医療費-55万8,000円)×1% |
区分ウ(標準報酬月額28万円〜50万円) | 8万0,100円+(総医療費-26万7,000円)×1% |
区分エ(標準報酬月額26万円以下) | 5万7,600円 |
区分オ(住民税非課税者) | 3万5,400円 |
医療費を大幅に削減できるケースもあるため、貯金でまかなえると考えているのかもしれません。
これまで保険を使う機会がなかったから
実際に厚生労働省の調査によると、人口10万人に対する入院総数は960人で1%に満たない結果だとわかりました。年齢別の結果は以下のとおりです。
年齢 | 総数 |
---|---|
30歳〜34歳 | 246人 |
35歳〜39歳 | 257人 |
40歳〜44歳 | 273人 |
45歳〜49歳 | 345人 |
保険に加入する余裕がないから
実際に生命保険文化センターの調査では、生命保険の非加入理由として「経済的余裕がないから」と答えている人の割合は37.6%と、すべての非加入理由の中で一番多いとわかりました。
同じ調査では「保険料が高いから」が16.7%と3番目に多く、保険料の負担が大きいと感じている人がたくさんいることがうかがえます。
出典:2022(令和4)年度 生活保障に関する調査(248ページ目)|生命保険文化センター
保険未加入で想定される予期せぬ事態
怪我や病気の入院で医療費を払えない可能性がある
生命保険文化センターの調査では、直近の入院時の自己負担費用は平均19万8,000円、1日あたりの自己負担費用は平均2万700円であることがわかりました(高額療養費制度を利用した人と利用しなかった人の合計)。
生命保険に加入していなければ、貯金を切り崩して払わなければなりません。差額ベッド代や食事代などは高額療養費制度の対象外です。入院日数が長くなるほど、自己負担分も増えるため、保険があれば安心でしょう。
出典:2022(令和4)年度 生活保障に関する調査(58、59ページ目)|生命保険文化センター
収入が減少・なくなると生活ができなくなる
生命保険文化センターの調査では、直近の入院で失われた収入の平均は30万2,000円で、1日あたりでは平均21,000円とわかりました。
出典:2022(令和4)年度 生活保障に関する調査(61ページ目)|生命保険文化センター
さらに子どもがいれば学費も考える必要があります。幼稚園から高校までの学費は表のとおりです。
公立 | 私立 | |
---|---|---|
幼稚園 | 47万2,746円 | 92万4,636円 |
小学校 | 211万2,022円 | 999万9,660円 |
中学校 | 161万6,317円 | 430万3,805円 |
高校(全日制) | 154万3,116円 | 315万6,401円 |
合計 | 574万4,201円 | 1,838万4,502円 |
幼稚園から高校まですべて公立でも500万円以上かかり、他に塾代などが必要です。加えて大学では学費の他に、ひとり暮らしの生活費がかかるケースもあります。
国立 | 公立 | 私立 | |
---|---|---|---|
入学金 | 28万2,000円 | 39万1,305円 | 24万5,951円 |
授業料(4年間) | 214万3,200円 | 214万5,452円 | 372万3,772円 |
合計 | 242万5,200円 | 253万6,757円 | 396万9,723円 |
生命保険に加入しておくと安心できる人の特徴
扶養する家族がいる人
また入院で働けなくなると世帯収入は大きく減少します。生命保険に加入することで食費や家賃、教育費などをカバーでき、習い事や外食を減らすといったことをせず、生活水準を維持できるでしょう。
家族がいる方の保険に加入するタイミングなどは、下記記事で詳しく紹介しています。
貯蓄がない・少ない人
「貯蓄がないから節約のために生命保険には入らない」という人もいますが、誰にでも病気や怪我のリスクはあります。貯蓄が少ないからこそ無理のない範囲で加入できる商品を見つけることが大切です。
フリーランスなど公的保障が不十分な人
公的保障が足りなければ、自助努力で準備しなければならないため、生命保険の活用が効果的です。
急いで生命保険に加入する必要がない人の特徴
扶養する家族がいない人
自分が病気や怪我をした際の医療費や生活費が最低限あれば、加入のタイミングを遅らせてもいいでしょう。
貯金から医療費などを支払える人
【年代別】生命保険の加入率/どんな保険に入るべき?
年代 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
20歳代 | 46.4% | 57.1% |
30歳代 | 81.5% | 82.8% |
40歳代 | 86.1% | 86.3% |
50歳代 | 86.9% | 87.8% |
冒頭でも述べた通り、30歳代・40歳代・50歳代は8割以上と、多くの人が生命保険に加入していることがわかります。
加入すべき保険は年代や独身・既婚ごとに異なります。最後にどのような保険に入るべきか確認しましょう。
年代別の保険加入については、下記記事でも詳しく紹介しています。
【20代・30代(独身者)】病気・ケガに備える保険
医療保険では入院や手術などのお金を準備できます。入院時には一般的に日額で入院給付金が受け取れ、手術では日帰り手術も対象になるなど、保障内容はさまざまです。他に通院や三大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)、先進医療(厚生労働省が認める高度な医療技術で保険適用外のもの)などにも備えられます。
就業不能保険は比較的新しい保険で、病気や怪我で働けなくなったときの生活費をカバーできます。保険会社が定めた「就業不能状態」になれば、保険金を受け取れます。会社員であれば傷病手当金を使えるため、傷病手当金での給付分も踏まえて保険金を決めましょう。
【20代・30代(既婚者)】万が一に備えるための保険
定期保険や収入保障保険では、保険期間内に死亡すると死亡保険金を受け取れ、生活費や教育費に充てられます。保険料は終身保険よりも割安です。
終身保険は死亡保障が一生涯続くものです。解約返戻金が多いことから、子どもが自立したときに解約し、子どもの結婚・住宅費用にも活用できます。
加えて女性であれば子宮がんや乳がん、子宮筋腫、子宮内膜症など女性特有の病気に備えることも欠かせません。女性は20代・30代で妊娠・出産を迎えるため、より充実した保障だと安心です。
【40代以上】病気へのリスクに備えることができる保険
昔に加入した医療保険は最新のプランにし、がん保険も見直すと安心です。40代を過ぎると、子どもの進路や必要な老後資金も明確になってきます。死亡保障の金額を見直し、入りすぎであれば減額し、保険料を抑えることも可能です。
最後に|加入後もライフステージの変化に応じて賢く保険と付き合おう
家族と必要な保障やライフプランについて話し合うきっかけにもなるため、保険と上手に付き合いましょう。
執筆:関根菜摘(セキネナツミ)
執筆:関根菜摘(セキネナツミ)
駒澤大学法学部政治学科卒業後、大手生命保険会社の営業職を経て、Webライターとして独立。現在は金融・法律メインのライターとして活動している。得意分野は生命保険と相続。
保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP
https://www.natsumi-sekine.com/
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