生命保険料控除の対象者は?実際の控除額や申告方法をわかりやすく解説
一度調べてはみたものの、難しいと感じる人もいるのではないでしょうか。節税し、豊かな生活を送るためには、まず生命保険料控除の対象者についてしっかりと理解することが大切です。
そこでこの記事では、生命保険料控除の対象者についてわかりやすく解説します。ぜひお役立てください。
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生命保険料控除の対象者は?
はじめに生命保険料控除の対象者について具体的に解説します。
保険料を支払った者
例えば夫が契約者として生命保険に加入し、自分で保険料を支払っている場合には、夫が会社の年末調整や確定申告で申請できることになります。
妻の保険料を支払った場合にも申告できる
具体的には妻ががん保険に契約者として加入し、夫がその保険料を支払ったケースなどです。夫は年末調整や確定申告で、自分の分と妻の分をまとめて申告することになります。
妻の分も申告する際には、保険料を支払ったことを証明する必要があるため、生命保険会社に問い合わせて、保険料負担者(引き落としの口座名義人)の記載がある生命保険料控除証明書の作成をお願いしましょう。
生命保険料控除の基本|対象になる保険や控除額は?
次に生命保険料控除の基本として、控除(所得から差し引ける)できる金額や対象になる保険を解説します。
対象になる保険は大きく分けて3種類ある
区分 | 対象となる保険 |
---|---|
新(旧)生命保険料控除 | 定期保険、終身保険、学資保険など |
介護医療保険料控除 | 医療保険、がん保険、介護保険など |
新(旧)個人年金保険料控除 | 個人年金保険など |
そして2011年12月31日以前に契約した「旧制度」は、「旧生命保険料控除」「旧個人年金保険料控除」の2つのみです。旧制度では介護医療保険料控除はありませんが、医療保険やがん保険、介護保険などは旧生命保険料控除として適用できていました。
加えて個人年金保険料控除を利用する際には、以下のすべての条件を満たすことが必要です。
・受取人は被保険者と同じ
・保険料払込期間が10年以上
・年金受取開始が60歳以降で、受取期間が10年以上(確定年金や有期年金の場合)
控除できるかどうかは保険会社から毎年秋頃に送られてくる生命保険料控除証明書で確認しましょう。
新契約・旧契約で控除額が異なる
【新制度】
所得税 | 住民税 | ||
---|---|---|---|
年間の支払い保険料 | 控除額 | 年間の支払い保険料 | 控除額 |
2万円以下 | 支払い保険料の全額 | 1万2,000円以下 | 支払い保険料の全額 |
2万円超〜4万円以下 | 支払い保険料×1/2+1万円 | 1万2,000円超〜3万2,000円以下 | 支払い保険料×1/2+6,000円 |
4万円超〜8万円以下 | 支払い保険料×1/4+2万円 | 3万2,000円超〜5万6,000円以下 | 支払い保険料×1/4+1万4,000円 |
8万円超 | 一律4万円 | 5万6,000円超 | 一律2万8,000円 |
【旧制度】
所得税 | 住民税 | ||
---|---|---|---|
年間の支払い保険料 | 控除額 | 年間の支払い保険料 | 控除額 |
2万5,000円以下 | 支払い保険料の全額 | 1万5,000円以下 | 支払い保険料の全額 |
2万5,000円超〜5万円以下 | 支払い保険料×1/2+1万2,500円 | 1万5,000円超〜4万円以下 | 支払い保険料×1/2+7,500円 |
5万円超〜10万円以下 | 支払い保険料×1/4+2万5,000円 | 4万円超〜7万円以下 | 支払い保険料×1/4+1万7,500円 |
10万円超 | 一律5万円 | 7万円超 | 一律3万5,000円 |
新制度と旧制度を両方使う際の上限は、所得税で12万円、住民税で7万円です。
出典:税金の負担が軽くなる「生命保険料控除」|生命保険文化センター
生命保険料控除でいくら戻る?
なおこのケースでの課税所得金額は「450万円−給与所得控除134万円−基礎控除48万円=268万円」で、所得税の税率は10%となります。
そして住民税の税率は10%です。
新契約の保険に加入している場合
・医療保険...年間3万円
・個人年金保険...年間10万円
・医療保険(介護医療保険料控除)...3万円×1/2+1万円=2万5,000円
・個人年金保険(新個人年金保険料控除)...一律4万円
次に住民税の控除額です。
・医療保険(介護医療保険料控除)...3万円×1/2+6,000円=2万1,000円
・個人年金保険(新個人年金保険料控除)...一律2万8,000円
住民税の節税額は、7万7,000円×10%=7,700円です。
旧契約の保険に加入している場合
・個人年金保険...年間10万円
個人年金保険(旧個人年金保険料控除)...10万円×1/4+2万5,000円=5万円
次に住民税の控除額は、以下のように計算しましょう。
・個人年金保険(旧個人年金保険料控除)...一律3万5,000円
住民税の節税額は、7万円×10%=7,000円となります。
生命保険料控除を申告する方法
会社員は年末調整で申告する
「給与所得者の保険料控除申告書」には生命保険料控除だけではなく、地震保険料控除など別の控除の記入欄もあるため、間違えないようにしてください。
記入後、生命保険料控除証明書を「給与所得者の保険料控除申告書」に添付し、提出します。
忘れてしまったら確定申告をする
国税庁のホームページなどから「確定申告書 第一表・第二表」を用意し、生命保険料控除を見ながら記入します。合わせて源泉徴収票にある支払金額と源泉徴収税額も記載する必要があります。
提出時には本人確認書類(マイナンバーカードなど)と生命保険料控除証明書を台紙に貼るか、職員に提示します。
なおe-Taxで申告する際には、本人確認書類(マイナンバーカードなど)と生命保険料控除証明書の添付は不要です。
まとめ|生命保険料控除を活用し豊かな生活を
生命保険料控除の知識を身につけることで、年末調整で忘れることなく手続きができ、節税できます。もし手続きを忘れてしまった際には、確定申告を行いましょう。
今回の内容については、ぜひパートナーにも教えてあげてください。
執筆:関根菜摘(セキネナツミ)
執筆:関根菜摘(セキネナツミ)
駒澤大学法学部政治学科卒業後、大手生命保険会社の営業職を経て、Webライターとして独立。現在は金融・法律メインのライターとして活動している。得意分野は生命保険と相続。
保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP
https://www.natsumi-sekine.com/
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