控除とは?金融のプロが簡単&超わかりやすく解説【ふるさと納税/確定申告】
控除とは、ある金額から一定の金額を差し引くことを指します。例えば、給与から“差し引かれる”所得税や住民税、社会保険といったものも給与支給に対する「控除」にあたります。ややこしいと感じる一方でこの控除を上手く使えば、税金の負担を減らすことも可能です。
今回は、金融のプロメディアである@next編集部が、「控除」というものの意味や種類、実際にどうすれば税金の負担を軽減する控除を受けられるのかを非常に簡単&分かりやすく解説します。
会社に任せて給与を受け取っているサラリーマンの方や、個人事業主になりたてで自信がないという方にも損はない内容となっていますので、ぜひ参考にしてください。
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控除とは?
控除の大きな特徴は、「所得控除」と「税額控除」の2つに分けられる点です。後ほど、この2つについて解説していきます。
また、控除と似たようなものに「還付」という制度があります。控除との違いは以下の通りです。
還付→払い過ぎた金額が後日戻ってくるため、最初の納税時は還付による減額はない
所得控除とは|所得額から一定の金額を差し引く制度
年末調整や確定申告をする際に適用できれば、所得税や住民税が減額になり節税につながります。
自身の所得を知る
所得控除を求めるには、自身の「所得」を知る必要があります。
所得の求め方については、「収入-所得控除額(必要経費)※1=所得」です。
※1:サラリーマンや公務員など会社に勤める人は所得控除額。個人事業主の方は必要経費となります。
■所得控除額の求め方
給与等の収入金額 | 給与所得控除額 |
---|---|
1,625,000円まで | 550,000円 |
1,625,001円~1,800,000円 | 収入金額×40%-100,000円 |
1,800,001円~3,600,000円 | 収入金額×30%+80,000円 |
3,600,001円~6,600,000円 | 収入金額×20%+440,000円 |
6,600,001円~8,500,000円 | 収入金額×10%+1,100,000円 |
8,500,001円以上 | 1,950,000円(上限) |
所得のシミュレーション
例:月収が20万円、月毎の支給額が5万円、賞与が月収×2ヶ月の会社員Aさんの所得
Aさんの所得は264万円となります。
収入は【20万円(月収)×12ヶ月+5万円(手当)×12ヶ月+20万円(賞与)×2ヶ月】で算出。所得控除額は年収と上記図を照らし合わせ、算出した額となります。
所得控除の種類
控除の種類 | 適用される条件 |
---|---|
基礎控除 | 年収が2,500万円以下の方なら誰でも受けられる |
配偶者控除 | 申告者本人に合計所得48万円以下の配偶者がいると受けられる |
配偶者特別控除 | 申告者本人に合計所得48万円超133万円以下の配偶者がいると受けられる |
扶養控除 | 所得税法上の控除対象扶養親族がいる場合、一定の所得控除を受けられる |
障害者控除 | 申告者本人が障害者と認定されているか、その家族(同一生計配偶者や扶養親族)が障害者の認定されると受けられる |
寡婦控除 | 申告書本人が寡婦であり、合計所得額が年500万円以下の場合に受けられる |
ひとり親控除 | 申告書本人がひとり親であり、合計所得額が年500万円以下の場合に受けられる |
勤労学生控除 | 申告書本人が勤労学生であるときは、一定の金額の所得控除が受けられる |
地震保険料控除 | 申告書本人が地震保険などの損害保険料を支払った時に受けられる |
社会保険料控除 | 申告書本人が自己もしくは配偶者などの社会保険料を支払ったとき受けられる |
小規模企業共済等掛金控除 | 申告者本人が小規模企業共済法に規定された共済契約に基づく掛金等を支払った場合に受けられる |
医療費控除 | 1/1~12/31までに支払った医療費が一定額を超えた場合に受けられる |
地震保険料控除 | 申告者本人が地震保険などの損害保険料を支払った時に受けられる |
寄附金控除 | 国や地方公共団体、認定NPO法人などに寄付した時に受けられる |
雑損控除 | 自然災害や盗難、横領などによる損失があった時に受けられる |
また、控除額が多ければ多いほど課税所得額が減少。課税所得額が一定以上減るときは適用される所得税率も下がり、結果として所得税も減ります。
税額控除とは|所得控除からさらに税金を安くする
主な税額控除
控除の種類 | 内容 |
---|---|
配当控除 | 株式の配当金が支払われる際、確定申告で総合課税を選択すると利用できる控除 |
住宅借入金等特別控除 | 住宅ローンを借りて一定の要件を満たすと利用できる控除 |
政党等寄附金特別控除 | 政党や政治資金団体に対する寄附をした際に選択できる控除 |
認定NPO法人等寄附金特別控除 | 認定NPO法人に寄附をすると利用できる控除 |
外国税額控除 | 外国で生じた所得が国内外の二重課税にならないための控除 |
控除を受けることができるおすすめ制度
控除について知識や求め方がわかってきましたが、実際に控除を利用するならどういったものがよいのか?すぐに始められるものなどいくつか紹介します。
万が一に備えられる→生命保険料
金額に関しては、支払っている保険料などによって異なるため、控除を受ける際は自身の支払っている保険代金も把握しておきましょう。
年間の支払保険料 | 所得税の控除額 |
---|---|
2万円以下 | 支払保険料全額 |
2万円超4万円以下 | 支払保険料×1/2+1万円 |
4万円超8万円以下 | 支払保険料×1/4+2万円 |
8万円超 | 一律4万円 |
自宅の購入・リフォーム→住宅ローン
同ローンには、住宅ローン控除と呼ばれる所得税や住民税の税金に一部が安くなる制度が使えます。
控除を使うには、返済期間が10年以上や年収が3,000万円以下と条件があるので、詳しくは下記記事を参照ください。
好きな自治体に寄付をする→ふるさと納税
また、自己負担2,000円で地域の特産物などが手に入るなどメリットが多いです。今回紹介した中でも始めやすいので、気になる方は活用してみてください。
控除を受けるための2つの方法
申請に関しては、
・フリーランスなど個人事業主の方→確定申告
年末調整→会社から給与をもらっている人が行う
必要項目の記入をし、控除証明書を会社に提出するだけで作業は完了です。
しかし、住宅ローン(初年度のみ)、ふるさと納税などの寄附金控除(寄付した自治体の数によって異なる)などは年末調整では申告不可になることもあるので、自分で確定申告をする必要があります。
年末調整については、下記にて詳しく紹介しているので合わせて参照ください。
確定申告→個人事業主の方が行う
申告期間は収入を得た翌年の2/16~3/15まで。税務署に直接提出する以外にもネットから提出ができるe-Taxも利用できるので、自身にあった方法で提出してください。
確定申告については、下記にて詳しく紹介しています。
終わりに|制度を理解して、節税を上手く活用しよう
控除といっても所得控除や税額控除など種類がいくつかあるので、わかりづらいと思った方も多いと思います。控除をうまく使えば、納める税金の減額につながります。本記事を参考に控除を理解し、うまく活用してみてください。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
執筆:@nextマガジン編集部
執筆:@nextマガジン編集部
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