家計の見直しはどこからすべき?固定費の見直し方や世帯別のポイントを紹介
そこで本記事は、家計の見直しはどこから優先すればよいのか、チェックポイントをまとめて解説します。さらに、家計を見直すコツや効率的なお金の貯め方もご紹介しますので、家計の不安を手放したい方はぜひ参考にしてください。
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家計の見直しは固定費優先!チェックすべきポイントを解説
家計の支出は大きくわけて固定費と変動費の2つに分類できます。
一方、変動費である食費や交際費は、しばらくは節約して生活できたとしても継続するのが困難になる場合も多いでしょう。
また、一般的に家計の支出に占める固定費の割合は40%〜60%台である家庭が多いです。支出の半分前後を占める固定費の見直しは、家計の収支バランスを好転させる効果が高いといえます。
住宅費の見直し
住宅費は「収入の30%まで」を目安にするとよいといわれています。国土交通省が発表する令和4年度住宅市場動向調査報告書から全国平均を算出すると、実際のところは年収の20%ほどに抑えられているケースが多いことがわかります。
しかし、東京都内のように全国平均よりも大幅に家賃が高い地域に住む場合は、年収の3分の1ほどを住宅費に充てている方も多いです。東京都での2LDKの家賃相場は、都心からやや離れた区であっても20万円前後であるケースが多く、都心に近づくほど40〜50万円と跳ね上がります。
参考:都内マンション家賃相場
また、都心周辺のファミリータイプのマンション需要は高く、今後も高水準の家賃相場が続くとみられます。都内に住居を構えるのであれば、「収入の30%まで」にこだわると快適に暮らせる住環境がキープできない可能性もあるでしょう。この点をふまえて、住宅が賃貸物件の場合、持ち家の場合の見直しポイントをチェックしていきましょう。
賃貸物件の場合
例えば、夫婦の通勤に同一沿線を利用している場合や、どちらかがリモートワーク中心の場合、家賃の安い郊外の始発駅に住み替えるのも1つの手です。通勤時間は長くなりますが、始発駅からゆったりと座って、スキルアップの勉強や副業などに有効活用できると前向きに捉えることもできます。
実際に、総務省が公表する2021年・2022年の東京都の年代別転入超過数からは、30代以降と10歳未満は東京都から他県への流出が続いている傾向が見て取れます。都心から郊外への住み替えを選択しているファミリー世代は増加しているといえるでしょう。
ただし、子どもを保育園に通わせていると転園が困難な場合も多いです。子どもが小学校へ入学するタイミングなどに合わせて引っ越しを検討するのが、現実的な家賃の見直し策となるでしょう。
今すぐ家賃を見直すのが難しくても、家賃や光熱費、通信費などの生活に関わる固定費全体で、手取り月収の2分の1程度に収まるようにすると家計バランスを良好に保ちやすいです。家賃だけにフォーカスするのではなく、他の支出も合わせた全体で見直しを進めていきましょう。
持ち家の場合
・住宅ローンの借り換え
また、金利の低い住宅ローンへの借り換えによって、トータルの返済額を大きく削減できるかもしれません。住宅ローンの残高が1,000万円以上・返済期間が10年以上残っていて、現在のローン金利と新たな借り換え先のローン金利が1%以上差がある場合は、借り換えによって毎月の返済額を減らせる可能性があります。
ただし、借り換えには手数料がかかります。各金融機関が提供する住宅ローンの借り換えシミュレーションで、自分の場合はメリットがあるのかをチェックしてみましょう。
ほかにも、夫婦で1つずつ住宅ローンを組むペアローンという選択肢もあります。単独でローンを組むよりも多額の借入が可能となり、住宅ローン控除がそれぞれに適用される点がメリットです。また、長期的な居住を前提とする分譲マンションのほうが、賃貸マンションよりも建物のグレードが高い傾向にあります。防犯性や耐震・防音などの面で、より安心感を得られるでしょう。
一方で、将来的なメンテナンス費用や毎月の修繕積立金などのコスト面、転居のしづらさなどのデメリットもあるため、長期的な目線で判断する必要があります。
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保険の見直し
特に、医療保険やがん保険を含めた生命保険は、ライフスタイルや状況に応じて保障の必要性が変わってきます。子育て世帯であれば、最も守りたいのは「子どもの将来」です。共働きの場合であっても、万が一の場合に備える生命保険は加入しておきましょう。
保障はしっかりつけながらも保険料の負担を減らしたいときには、掛け捨てタイプの保険を活用しましょう。なかでも、都道府県民共済やJA共済などは、月々数千円の掛け金で適度な保障を受けられるコスパのよい保険です。
ある程度収入が上がり家計に少し余裕ができたら、子どもの教育資金の貯蓄ができる学資保険への加入がおすすめです。
学資保険では、支払う保険料がそのまま教育資金の積み立てとして運用され、子どもが18歳になる満期時に保険金として受け取れます。契約者である親の万一の場合には、その後の保険料の払い込みが免除されたり、保険の内容によっては親の死亡保障や医療保障が受けられたりします。
保険の見直しは、保障内容や保障額が重複していないか、保険料が家計に負担のない金額かに注意して、ライフステージや貯蓄額をふまえて定期的におこないましょう。
通信費の見直し
契約する携帯電話会社が大手キャリアなのか、格安プランを提供するMVNOなのかによって、月額料金が大きく変わってくるケースも多いです。
MVNOが登場した当初は電波の繋がりにくさがデメリットといわれていましたが、普及が進んだ現在では大きく不便を感じる場面は少ないでしょう。近年では、docomoが提供する「ahamo」のように大手キャリアが出す格安プランも登場したため、スマホの乗り換えもより抵抗なくおこなえるようになっています。
一例として、ahamoの月額料金は、データ容量20GBで2,970円※1です。一方、docomoの料金プランeximoでは、1〜3GBまでの使用であっても5,665円※2。家族割や家庭のインターネット回線との割引を使ったとしてもahamoのほうが割安です。ahamoはdocomoと同じ回線を使っているため、docomoと同じ電波環境のまま、プラン変更をするだけで利用料が下げられます。
各社で格安なサービスを出しているMVNOなら、さらにスマホ料金を節約できる可能性も高いです。また、家族で同じ携帯電話会社にまとめたり、家庭のインターネット回線を系列会社に揃えたりすると割引されるケースもあります。
実際のところ、年収が高い方ほどMVNOのメリットを理解し、積極的に乗り換えているアンケート結果※3も出ています。大手キャリアを使っている方が乗り換えると特に大きな節約に繋がるため、今より少しでも安いプランや携帯電話会社がないか見直していきましょう。
(※1)参考:ahamo
(※2)参考:docomoご利用料金
(※3)参考:プラスデジタル
水道光熱費の見直し
また、「ENEOSでんき・都市ガス」「楽天エナジー」のように、電気代やガス代の支払いでTポイントや楽天ポイントが貯まる電力会社もあります。毎月かかる光熱費でポイントが貯められるのは嬉しいですね。
すぐに取り組める節約方法としては、こまめに電気を消す、水の流しっぱなしをやめるなどが挙げられます。家電の買い替えのタイミングが近づいているなら、早めに節電効果の高い機種に買い替えるのも手です。節水シャワーヘッドは取り替えるだけで30%〜80%ほどの節水効果が期待できるため、家族の多い世帯であればより大きな節約になるでしょう。
エコ家電を上手に活用しながら、家族みんなで節電・節水意識を高めていきましょう。
自動車費の見直し
週末のレジャーや買い物程度の使用であれば、公共機関や自転車、レンタカーで代用できるかもしれません。最近ではカーシェアや無人レンタカーの使い勝手が向上し、24時間手軽に車が借りられるサービスが増えています。自宅の近くにカーシェアできるところがあれば、必要なときだけ車をレンタルしているほうがコスト面ではお得です。
車が毎日必要な場合でも、所有するのは必要最低限のコンパクトカーにして、レジャーや遠出のときにだけ大きめの車をレンタカーする方法も自動車費の節約になります。次の乗り換えのタイミングで検討してみましょう。
世帯別!家計の見直しポイント
見直しについては、保険のプロであるFP(ファイナンシャルプランナー)に相談するすることも多いと思います。下記の記事では相談する際の準備物などをまとめています。
共働き夫婦の家計見直しポイント
独身中に加入していた保険があれば見直す必要があります。現状に必要な保障を想定し、過剰な保障や重複した保障はないか、お互いの保険を確認し合いましょう。
携帯電話会社も見直しポイントです。夫婦で揃えて家族割を受けるだけでなく、家庭のインターネット回線や電気・ガス会社をセットにすると大きく割引できるケースもあります。
子どもがいない共働き夫婦は、お金の「貯めどき」といえます。将来的に子どもを授かった場合には、支出は増えるのに世帯収入は減ってしまう可能性が高いです。固定費の削減や貯金が進む仕組み作りに取り組み、健全な家計を構築しておきましょう。
子どもがいる家庭の家計見直しポイント
文部科学省の調査によると、子ども1人あたりの幼稚園から大学までの教育費は、すべて公立を選んだ場合でも約820万円です。すべて私立に通った場合には約2,300万円もの教育費が必要となります。
まず、子ども1人あたり1万〜1万5,000円ほどの児童手当はそのまま教育資金として貯蓄しておくのが理想的です。
子どもが幼いうちはそこまでの教育費はかからないため、習い事や通信教材などにお金をかけてしまいがちです。しかし、中学・高校と進学するにつれて塾やクラブ代などの負担が大きくなります。比較的お金のかからない10歳ごろまでに計画的に教育資金を貯めておけると、その後の見通しがつきやすくなるでしょう。
一方で、世帯主の万が一の場合の保障は備えておかなければならない時期でもあります。固定費を抑えるために必要な保障まで削ってしまわないよう、割安な掛け捨て保険を利用するなどで工夫しましょう。
教育費については、下記にて詳しく紹介しています。
家計を見直す2つのコツ
家計簿をつけて収支を把握する
家計簿のつけ方は次の3通りにわけられます。
・エクセルに自分で入力
・ノートに手書き
おすすめのアプリは、銀行口座、クレジットカードやQRコード決済など、数多くの決済サービスと連携ができる「Zaim」や「マネーフォワードME」です。すべての支払いを家計簿に紐づけたキャッシュレス決済でおこなえば、入力する手間なく家計簿が完成します。
エクセルや手書きのノートを使って家計簿をつけるメリットは、自分で家計簿につける項目をアレンジできる点です。細かく項目を分けずに、「食費」と「それ以外」のようにざっくりと分類することで、家計簿への苦手意識を減らせます。給料日を締め日とし、収入とクレカや銀行口座から引き落とされる固定費を記入、日々の支出はレシートをためておいてまとめて記入してもよいでしょう。
家計収支が把握できたら、貯金する目的と目標金額を明確にして、月間の貯金目標額を設定しましょう。具体的な目標金額を目の前にすると、さらに節約意識が高まります。家計の改善点を洗い出して実行に移していきましょう。
目的に合う方法でお金を貯める
お金の置き場所は大きく分けて2種類です。
・お金を増やす投資(元本割れのリスクがあるもの)
老後資金などの10年以上使う予定のないお金は、株式や投資信託などの投資に回すと預貯金よりも効率的にお金を増やせる可能性が高まります。投資期間が長期間になればなるほど、元本割れのリスクが減り収益が安定する傾向にあるため、短期間で現金化する必要に迫られない余剰資金でおこなうのがポイントです。
そこでおすすめなのが「つみたてNISA」での資産運用です。つみたてNISAでは、金融機関によっては100円からの積立投資が可能です。一度積み立ての設定をすると自動的に積立投資されるため、毎月確実に資産を積み上げていけるのがメリットといえます。
また、金融庁の基準を満たす投資信託商品のみが販売されているため、投資初心者の方でも比較的リスクの少ない商品を選びやすいでしょう。さらに、2024年から始まる新NISA制度は、選べる商品の幅やコスト面で使い勝手が向上し、より多くの人が投資を開始すると予想されています。
老後資金を備えたい方には「iDeCo」も活用しましょう。NISAと同じく運用益が非課税なうえ、iDeCoでは掛金が全額所得控除されるため節税対策にも有効です。ただし、原則60歳まで引き出しはできません。
10年以上先に必要となる教育資金であれば、一部をNISAで投資するとよりスピーディーに資金を作れる可能性が高まります。しかし、現金化するタイミングによっては大きく損をする可能性があるため、教育資金の全額を投資で準備するのはリスクが高いかもしれません。必要最低限の教育資金は、元本保証のある定期預金などに貯めておきましょう。
終わりに|節約効果が続く固定費から見直そう
家計簿をつけると家計の収支が把握でき、改善点や貯金の目標金額が明確にしやすくなります。より効率よくお金を貯めるには、預貯金より高い利回りが期待できるNISAやiDeCoを活用して余剰資金を投資に回していきましょう。
また、家計を見直すのと同時に、収入を増やす方向にも目を向けることが大切です。もし今の会社で努力を続けても収入アップが期待できないと感じているなら、自分の能力を正当に評価してくれる会社への転職活動も視野にいれてみましょう。
最近では副業にトライする方も増えています。月に数万円でも収入が得られるようになれば、その分を貯蓄や将来の投資に回せます。実際に、通勤時間やスキマ時間を有効活用してコツコツと挑戦し、サラリーマン以上の収入を手に入れている方も少なくありません。
豊かな人生の実現に向けて、まずは「固定費を見直して賢く守る」。そして「収入を増やす攻め」にも、ぜひ積極的にアプローチしてくださいね!
執筆:@nextマガジン編集部
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